
シーバー病は、成長期のかかとの成長部分に繰り返し負担がかかって痛む状態で、踵骨骨端症とも呼ばれます。ただし、子どものかかとの痛みがすべてシーバー病とは限りません。診察で原因を確認したうえで、歩き方や痛みの変化を見ながら運動を調整することが大切です。
シーバー病では、かかとの骨が成長する部分に、走る・跳ぶなどの負担が繰り返しかかります。この部分にはアキレス腱も付いており、成長期の体の変化や活動による力が関係します。米国整形外科学会は、活発に運動する子どもに多い一方、運動量が少ない子にも起こり得ると説明しています。AAOS:Sever’s Disease。
「成長期だから我慢すればよい」という意味ではありません。本人が痛みを訴えているなら、どの活動で困っているかを確認し、必要な診察と負担の調整を考えます。周りの子も同じ年齢だから同じ経過になる、というものでもありません。
保護者には、部活動の練習だけでなく、体育、休み時間の遊び、通学、休日の活動をまとめて見ることが役立ちます。競技の練習を休んでいても、ほかの場面でかかとへの負担が続いていることがあるためです。これは家庭で病名を決めるための確認ではなく、診察時に生活全体を伝える準備です。
学校での様子と家庭での様子が違う場合は、どちらも残しておきます。帰宅すると痛がるけれど練習中は言わない、休日の朝は歩きやすいなど、時間帯で変化することがあります。「その場では走れた」という一つの情報だけで、痛みの訴えを取り消さないようにしましょう。本人が話しやすいタイミングで聞くことも大切です。
子どもには「どこが痛いか」「いつ痛いか」を本人の言葉で話してもらいましょう。大人が答えを先回りして、成長痛や筋肉痛と説明しきらないことが大切です。痛みを言うと試合に出られなくなると心配している場合もあるので、訴えを聞くことと参加の判断を一度分けて話します。
シーバー病では、活動時や活動後のかかとの痛み、押されたときの痛みなどがみられ、片側だけの場合も両側の場合もあります。足をかばう歩き方になっていることもありますが、これらだけで診断はできません。POSNA OrthoKids:Sever’s Apophysitis。
診察では、痛みの経過や活動量を聞き、足や足首の状態を確認します。画像検査を行う場合もありますが、シーバー病と症状のない子のレントゲン像が似ることもあり、写真だけで決めるものではありません。検査は骨折など別の原因を調べる目的でも用いられます。AAOS:診断の考え方。
家庭でかかとを強く挟んで痛がるか試したり、何度もジャンプさせたりしないでください。普段歩く場面で気づいたことを伝えれば十分です。診察で行う確認を自己流で再現すると、痛みを増やすことがあります。
受診時には普段の通学靴や競技用の靴についても、使用場面と合わせて説明できます。持参したほうがよいかは予約時に確認しましょう。また、痛む場所を大人が先に指示せず、本人に示してもらうと、かかとの後ろなのか底なのかも伝わります。位置を確かめるために強く押す必要はありません。
転倒などの後から強く痛む、体重をかけられない、発熱や目立つ赤み・腫れがある場合は、成長期の痛みと決めつけず、速やかに医療機関へ相談しましょう。夜間や安静時にも強い痛みが続く、だんだん悪化する場合も、通常の練習を続ける前に確認します。Children’s Health Queensland:子どもの歩行の異常と受診目安。受診の際は、いつから歩き方が変わったか、直前に活動が増えたかをわかる範囲でまとめます。

運動の調整は、「全部休むか、我慢して全部参加するか」の二択にしないことが大切です。診断と症状に応じて、走る量やジャンプなどを減らす方法を医師と相談します。痛みが強い場合には、活動を休む期間や固定が必要になることもあります。POSNA OrthoKids:治療と活動の調整。
学校や指導者へは、「かかとが痛い」だけでなく、「長距離走の後に歩き方が変わる」「階段で痛がる」といった具体的な支障を共有すると、変更する活動を考えやすくなります。診察で受けた制限がある場合は、その内容を正確に伝えてください。
例えば練習を一部見学する、走るメニューを別の役割に替えるなど、参加方法を相談できることがあります。ただし、別の運動なら安全と家庭で決めつけず、どの程度の負担を許容できるか確認しましょう。痛み止めで症状を隠して競技を続けることを復帰の基準にしないようにします。
本人が休むことに不安を感じる場合は、次に見直す日と、その日までに確認することを決めると見通しが持ちやすくなります。「いつ治る」と約束するより、通学や階段でどうか、翌日に痛みが残るかなどを一緒に振り返ります。
活動を変更するときは、期間と確認する相手を決めておくと連絡が途切れにくくなります。「次の診察まではこのメニューを控える」といった医師の説明を、学校とクラブへ同じ内容で共有しましょう。本人だけに説明役を任せず、保護者も必要な連絡を支えることで、現場で無理をして参加する状況を減らせます。
保護者、本人、学校、クラブで方針が食い違わないよう、連絡をまとめる人を決めておく方法もあります。大会の日程だけで負荷を増やさず、本人の状態と医療者の説明を基準に調整してください。
靴の見直しやかかとのクッション、ふくらはぎへの運動などが対応に含まれることはありますが、どれを使うかは症状や診察結果に合わせます。AAOSは靴の工夫やヒールパッド、痛みが改善してからの運動などを挙げています。AAOS:治療の選択肢。
まずは、今履いている靴が小さくなっていないか、かかとに強く当たっていないか、通学と競技で何を履くかを整理しましょう。高価な靴や中敷きを買えば必ず治る、という意味ではありません。追加の用具を検討する前に、サイズや使い方、今の靴との組み合わせを確認します。
ストレッチも、痛みを我慢して強く伸ばせばよいわけではありません。行ってよい時期や動かす範囲を教わり、痛みが増える方法は中止して相談してください。大人が体重をかけて子どもの足首を曲げるようなやり方は避けます。
冷却や薬についても、年齢や皮膚の状態、持病によって注意点が異なります。医師・薬剤師の説明に従い、大人の薬や用量をそのまま使わないでください。用具やセルフケアは、必要な診察の代わりにはなりません。
用具を追加した場合は、使い始めた日と、どの靴で使ったかを記録します。一度に複数の靴や中敷きを替えると、どの組み合わせで当たりや痛みが変わったかわかりにくくなります。合わないと感じたら無理に慣らそうとせず、説明を受けた医療者や用具の相談先へ確認してください。子どもの訴えも選び方に反映させましょう。
大人のアキレス腱周囲の痛みについては、かかとの後ろが痛い場合の記事で別に説明しています。子どもには成長部分があるため、大人向けの対処をそのまま当てはめず、年齢に合う説明を受けましょう。

練習への復帰は、何日休んだかだけで決めず、日常生活と段階的な活動での状態を確認しながら相談します。シーバー病では、活動量を増やした時期に痛みが戻ることがあります。POSNA OrthoKids:再発と経過。一度痛みが軽くなったからといって、急に元の運動量へ戻すとは限りません。
記録するなら、参加した内容、活動中の痛み、帰宅時の歩き方、翌朝の状態を簡単に残します。「今日は練習できた」だけではわからない変化が見えます。記録は成績表ではなく、負荷を見直すための材料です。
再び痛くなったときは、本人の我慢が足りないと扱わず、どこまで活動を戻したかを振り返りましょう。繰り返す場合や以前と痛み方が違う場合は、再診して方針を確認します。医師から運動再開の条件を示されている場合は、その条件を優先してください。
城東いまふく鶴見鍼灸整骨院は、大阪市城東区今福東1丁目7-5にあります。院の情報は公式サイトをご覧ください。子どものかかとの痛みについて、診断や画像検査が必要な場合は整形外科などの医療機関への受診を優先します。
復帰の相談では、試合に出る時間だけでなく、準備運動、練習前後の移動、学校の体育も含めて考えます。一つの活動を減らしても、別の活動が増えていれば一日の負担は変わります。週の予定を簡単に見せると、どこを調整できるか話しやすくなります。大会までの日数より、生活全体での変化を共有することを優先してください。
成長期の痛みと付き合うときは、競技を続けたい気持ちと体の状態の両方を尊重することが大切です。本人が早めに痛みを話せる環境をつくり、学校生活も含めた活動量を調整していきましょう。
院情報:城東いまふく鶴見鍼灸整骨院/院長:福本 剛(柔道整復師)。氏名・資格の紹介は本記事の個別監修を示すものではありません。院長の公式紹介・アクセス案内/電話06-6167-8503。

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