月経痛(生理痛)

月経痛（生理痛）は、月経期間中に月経に随伴して起こる、下腹部痛・腰痛をいいます。

一般的に月経困難症と同義に用いられることが多いです。

月経困難症には２つに分類できます

原発性月経困難症ともいわれていて、骨盤内に器質的な原因がないのに月経困難症をきたすものです。

【成因】

様々な説が考えられます（心因説・内分泌説・子宮筋過強収縮説・頸管因子説・神経説・子宮後傾後屈説・子宮発育不全説）。

注目をされているのはプロスタグランジン説です。

プロスタグランジン説とは、分泌期から月経期にかけて子宮内膜で産生された、プロスタグランジン（PGｓ）によって、子宮筋が過剰に収縮し、子宮内圧が亢進するため子宮筋が虚血性変化を起こすことにより疼痛を引き起こすとされる説があります。

月経時にみられる悪心・嘔吐・頭痛などの随伴症状もこのプロスタグランジン（PGｓ）とその代謝産物が体循環に流入するためと考えられています。

機能性月経困難症の女性では、無症状の女性に比べて分泌期から月経期にかけてプロスタグランジンの産生が多く、非妊娠子宮の収縮を抑制することから月経困難症の原因物質と考えられています。

一般的に若年（好発年齢は１０代後半）から起こり、月経直前または月経第１日目に現れ、増悪しないことが多い

続発性月経困難症ともいわれており、骨盤内に器質的な原因（子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫・子宮頸管狭窄・骨盤内の炎症や癒着・子宮奇形・子宮位置異常など）により月経困難をきたすものです。

器質性月経困難症の場合には、初経後５年以上経過して発症するものが多く、数年間ないし１０数年間、疼痛のなかった婦人が月経痛を発症した場合などは器質性月経困難症を疑います。

問診の際には初経の開始時期や月経の期間、月経血量、月経周期などの月経歴などを聞き取ります。

なかでも、初経より月経痛が発症するまでの期間、痛みの性質・時期（月経周期のいつ頃に発症するか）持続につても聴き取ります。

月経痛に対して、疼痛の緩和と血流を促進していくように鍼灸治療などを行っていきます。